クロコダイルの財布を選ぶ5つのポイント

クロコダイル の財布の購入をはじめて検討されている方に是非知っておいていただきたい内容をご説明いたします。

内容は、革芸人の工房にご訪問のお客様からよくあるご質問をテーマにまとめましたので、クロコダイルのお財布を検討されている方にとっても、知っておいた方がいい重要なポイントを簡潔にご説明いたします。

必ず最後まで読んでから購入ボタンを押していただけると幸いです(笑)

クロコダイル購入の前に知っておきたいポイント

  1. ワニ革の種類について
  2. クロコダイルの種類について
  3. 仕上げの違い(シャイニング仕上げとマット仕上げ)
  4. クロコダイルの部位による模様の違い
  5. クロコダイル製品の生産国

1.ワニ革の種類について

ワニと呼ばれる種類は大きく分けて3種類です。


1.クロコダイル

2.アリゲーター

3.カイマン(バビラス)

一見見分けがつかないワニ革の種類ですが、同じワニでも世界中には3種類のワニがおりまして、どれも革にしてお財布やバッグを製作しています。


ここで気をつけないといけないのは、アリゲーターやカイマンをクロコダイルやワイルドクロコといって販売していることがあるので、カイマンをクロコダイル だと思って購入してしまうことです。

クロコダイルとアリゲーターは非常によく似ていますが、分かりやすい見分け方は、穿孔があるのがクロコダイルでないのがアリゲーターです。

穿孔とは、呼吸をするための器官です。

ただし、鞣しの方法や顔料の量などによって穿孔がほぼ見えなくなっている場合もありますので、絶対的な条件ではないということを補足いたします。

赤い矢印が穿孔です(クロコダイルの腹側の革)

カイマンは革の中に石灰質(骨)が残っていますので表面は荒く細かいクレータのような模様があります。
革のお値段的にもクロコダイルとは数倍の差があります。

カイマンの腹側の革

2.クロコダイルの種類について

さらに、クロコダイルには4種類ありますのでその特徴を説明します。

  1. スモールクロコダイル  別名イリエワニ ポロサス
  2. ナイルクロコダイル
  3. シャムクロコダイル
  4. ラージクロコダイル

スモールクロコダイル  別名イリエワニ ポロサス  

スモールクロコダイル/両サイドのたまふとセンターのタケフが小さいのが特徴です

【スモールクロコダイル】ラウンドファスナー 長財布 スリム lgw007 /グラデーショングレー

スモールクロコダイルは、生物学的にはスモールクロコダイルですが一般和名はイリエワニ、学名はポロサスですのでメーカーやブランドによってはそう呼ばれることがあります。

全体的に模様が細かくて綺麗なので最も人気が高く高値で取引されている革です。

さらに詳しく知りたい方は「スモールクロコダイル」もご覧ください。

ナイルクロコダイル

ナイルクロコダイル/タケフの部分が長方形をしているのが特徴です

【ナイルクロコダイル】ラウンドファスナー 長財布 スリム lgw007  /グラデーションブルー

どちらかというとスモールクロコダイル に近い模様をしておりサイズや個体差によっては、スモールクロコダイルに良く似た雰囲気を感じることができます。

タケフ部分が縦長の長方形になっているのが特徴です。

さらに詳しく知りたい方は「ナイルクロコダイル」もご覧ください。

シャムクロコダイル

シャムクロコダイルの原産国はタイでして、日本への輸入量も少ない革となっています。
模様はナイルクロコダイルと似ている革です。
革の輸入量は少ないですが、製品として日本に輸出されているものが多いのが特徴です。

さらに詳しく知りたい方は「シャムクロコダイル」もご覧ください。

ラージクロコダイル

ラージクロコダイル/両サイドのマルフは細かく、後ろ(BACK)のタケフが大きのが特徴です

ラージクロコダイル はお腹の真ん中付近の模様が比較的大きくなっています。

原産国はパプアニューギニアで約95%が天然のものです。

これはワシントン条約で定められていて捕獲量の制限もされています。

現地の方たちの産業となっており乱獲や養殖について規制しているということですね。

さらに詳しく知りたい方は「ラージクロコダイル」もご覧ください。

3.仕上げの違い(シャイニング仕上げとマット仕上げ)

シャイニング仕上げ

シャイニング仕上げ/ナイルクロコダイル(大判)

【ナイルクロコダイル】ラウンドファスナー 長財布 センターどり lgw008   /フローセントピンク

クロコダイルの革は他の皮革にはない特徴として、シャイニング仕上げという加工方法があります。
メノウの石で磨きあげたシャイニング仕上げの革はとても美しく高貴な淑女を魅了してきた素材です。
以前よりクロコダイルは革の宝石と言われており、キラキラとした光沢が特徴的です。

どちらかというと、パーティーバッグのようなアクセサリー感覚で持つ場合に適した素材かと思います。

マット仕上げ

マット仕上げ/ナイルクロコダイル(小さい判)

▲【ナイルクロコダイル】ラウンドファスナー 長財布 センターどり lgw008  /バーミリオン

一方マット仕上げの特徴は、特に表面を磨き上げる作業は施していないので、自然の素材感が顕在で柔らかな質感を持っています。

近年、マット仕上げに鞣し技術の向上により、より高品質な革に仕上げることが可能となっています。

仕上げの違いによるメリットデメリットを客観的な視点でご説明いたします

シャイニング仕上げのメリット

使いはじめは光沢感がありその美しさと高級感に、ご満足いただけると思います。

パーティバッグなどアクセサリー感覚で身につけられる革素材です。

また、凹凸感があり模様の美しさが際立ちます。

シャイニング仕上げのデメリット

新品の状態のときは光沢があり綺麗なのですが、使っているうちに表面に細かいキズが付いて曇りガラスのような状態になっていくのが特徴です。

光沢がなくなり白っぽく変化していきます。

また、クリーム、オイル、ワックス、水などに弱くシミになったり光沢が損なわれやすいので、メンテナンスの際には細心の注意をされて作業を行っていただきたいと思います。

革質は硬く、比較的重い素材となります。

マット仕上げのメリット

自然な光沢感を持ち使うほどにさらに光沢が増してきます。

オイルやワックスを塗布することで光沢感が増し経年変化が楽しめます。

クリームやオイルを塗布することで革に栄養が行き渡り耐久性が上がります。

柔らかな質感で比較的軽い素材です。

マット仕上げのデメリット

クリームやオイルを塗布するとシミのように色が濃くなる場合がございます。

仕上げの違いについて革芸人の所見

一昔前は「革の宝石」と呼ばれ煌びやかなイメージで一部の富裕層に向けた商品展開がされていたクロコダイルですが、近年では落ち着きがあり上品でラグジュアリーな雰囲気を感じさせてくれる素材という印象です。

そのイメージから見るとシャイニング仕上げからマット仕上げに移行しているように感じます。

4.クロコダイルの部位による模様の違い

クロコダイルの最大の特徴である、模様(斑(ふ)や柄ということもあります)について説明します。

クロコダイルのお腹側の革


こちらの画像はクロコダイルのお腹側の革です。
裁断をしていない1枚革の状態をまる革といいます。
こうしてみるとワニの形が分かります。

センターどりとは

いわゆるセンターどりと呼ばれるもので、おなかの部分を左右対称の模様になるように裁断して製作することをセンターどりといいます。

ヨコどりとは

センターどりをタテどりということはないですが、それに対して90度方向に裁断することをよこどりといいます。
同じデザインの財布でも全く違った風に見えます。

かつてはセンターどりの方が綺麗に見えて価値があるというのが一般的な考え方でしたが、近年ではよこどりも本物のワニらしくていいと仰る方も多くなってきました。

また、小銭入れのような小さいサイズの製品にはテールやアゴの革を使うことが多いです。

【ナイルクロコダイル】 馬蹄型 小銭入れ コインケース cnc002 ブラック&ブルー

既製品では、一般的な革の取り方をしています。
もし、オリジナル性が欲しいという方には、オーダーメイドで製作することをお勧めします。
実際の革を見ながら、どの部位で製作するかをお選びいただけます。

オーダーメイドについてはこちらをご覧ください

同じデザインでもクロコダイルの部位によって見え方がかなり違います。

例えば下の写真は、大判の革のテールの部分を使って製作したラウンドファスナー長財布です。

上のセンターどりのものとは雰囲気が違って見えますね。

これが正解とか不正解というわけではなく、こんな楽しみ方もあるのだということを知っていただけるといいかと思います。

【クロコダイル】 ラウンドファスナー長財布 外ポケットあり lgw009 ブラック&ブルー

クロコダイルの模様についてさらに詳しく知りたい方は「クロコダイルの美しいうろこ模様 ~その形状と特徴~」をご覧ください。

5.クロコダイル製品の生産国

世界中で人気の高いクロコダイル製品なので、当然のことではありますが、人件費の安い国で生産され日本にも多くの製品が輸入されています。

日本製か海外製か最初に原産国と生産国の違いを説明しますと、原産国はそのワニの生息していた場所を指します。

クロコダイルの原産国はタイや南アフリカ、インドネシアです。

生産国とは、お財布など製品をどの国で裁断縫製し仕上げているかを示します。

日本で販売されているクロコダイルのお財布は日本製を含め、海外製のものもたくさんあります。

日本製と海外製の財布の具体的な違い

では、日本製と海外製の何が違うかといいますと製品によって異なりますが、わたくしの経験で実際にあったものをご紹介します。

  • 色を付ける際に染料ではなく顔料(石油系の塗料、ペンキのようなイメージ)が多い。そのため、革に透明感がなく染め色が単一なのでクロコダイルの最大の特徴である模様の立体感が損なわれている。
  • 本体のマチや底部分に牛革を使う場合があるのですが、牛革に非常によく似た合皮(石油系の生地)を使用している。
  • 見えない部分使う芯材が非常に硬い。

日本製と海外製の違いについて革芸人の所見

海外製の財布やバッグには、上記のような特徴があります。

経年変化も期待できなくクロコダイル革である意味が小さくなります。

特に近年では、牛革のクロコダイル柄の型押し技術も向上していますので、それと似たイメージとなってしまいますので、もったいないと感じてしまいます。

※ここでいう海外製とは、主にベトナムや中国、タイなどをさしておりヨーロッパやアメリカではございません。

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コメント

  1. 木村りら より:

    はじめまして。

    質問を失礼致します。

    GRE(グレ)のクロコダイルのショルダーバッグを持っているのですが、素材はクロコダイルと記載の紙が入っており、madein vietnamと縫われた布?に印刷されております。

    ベトナム製はあまり良くないのでしょうか?

    1. kawageinin.wp2 より:

      はじめまして。
      ベトナム製のクロコダイルバッグは近年よく見かけます。
      良いものか否かは、お持ちのバッグを見てみないと何とも言えません。

      日本向けに製作されていると思うので、日本の品質基準に見合うようには製作されているかとは思います。
      ただ、いいか悪いかは別として日本製のものと比べると違いはあるとは思います。

      1. 木村りら より:

        お返事をありがとうございます。
        そうなのですね。

        GRE(グレ)PARISのメーカーなので見た目もしっかりとした縫製もあり安心してはいたのですが、こちらを拝見させて頂き多少不安となりました。

  2. 木村りら より:

    途中が切れてしまいましたね^^;
    失礼致しました。

    ちゃんとしたメーカーが頼む国であれば、それなりに縫製他しっかりとした体制で作られてもいると思っても良いのでしょうか?

    1. kawageinin.wp2 より:

      そうですね。
      縫製に関しては遜色ないレベルだとは思います。
      日本製でも、メーカーによって品質は変わるので、ご自身の目を信じて宜しいのではないかと思います。

      一つネックがあるとすれば、アフターケアなどの対応が難しいことでしょうか。
      弊社では他社製でもご対応しておりますので、
      もし、何か不具合などおありましたらお気軽にご相談いただければと思います。

      1. 木村りら より:

        ありがとうございます^^

        またお世話になる事がある際には宜しくお願い致します。

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