クロコダイルの仕上げの方法は2種類
クロコダイルの革の仕上げ方法は大きく2種類に分けられています。
【シャイニング仕上げ】
または「グレージング仕上げ」「ツヤ」などと呼称されることもあります。
下準備、鞣しの各工程を経た後の最終段階で、染め上がった革をメノウの石で圧力をかけ高速で磨き上げます。
そうすることで、独特のツヤ感が出てうろこひとつひとつがキラキラと輝きを帯びてきます。
その輝きがダイヤモンドのそれに似ているため「革の宝石」と呼ばれた所以です。
磨きをかけてる間に、熱が加わり革の表面組織が固く締まった状態になります。
そのため、マット仕上げと比べると硬さを感じる仕上がりとなります。
シャイニング仕上げの経年変化
シャイニング(グレージング)仕上げの革の経年変化は、少しずつツヤ感が失われていき落ち着いた質感に変化していきます。
その変化を継続して楽しむこともできますし、「ツヤ出し」と言って購入当初に近い光沢感を復元することもできます。
メノウの石で磨き直しをすれば輝きは戻ってくるのですが、製品になった状態の革は物理的に圧力をかけて磨き直しができないので、
表面の汚れをきれいに拭き取り、色の薄くなった部分は捕色し、仕上げ材を塗布することで光沢感がよみがえります。
※「ツヤ出し」をご希望のお客様は革芸人までお問い合わせください。
【マット仕上げ】
シャイニング(グレージング)仕上げがメノウの石で仕上げを行うのに対し、マット仕上げはバフ掛けによって磨き上げられます。
漢字で「羽布」(バフ)と書きます。
柔らかなバフを高速回転させ革を磨くと、ぴかぴかとした光沢ではなく柔らかな落ち着いた光沢感が出ます。
研磨の時間と強さなどによって、仕上がりの光沢感は微妙に変わります。
マット仕上げの経年変化
マット仕上げは使っているうちに、少しずつ光沢感が増していきます。
もちろん使い方やオーナーの性格、体質などによって変化の具合は十人十色となります。
シャイニング仕上げとマット仕上げについて説明してきましたが、それぞれの魅力があり好みも分かれるところです。
フォーマルなパーティーには、鮮やかな色のシャイニング仕上げのバッグが女性をより引き立たせてくれますし、
ビジネスシーンでは、落ち着いたマット仕上げのブリーフケースや名刺入れがよりスキルの高さを感じさせてくれます。
商品を選ぶ際の参考にしてみてください。