今回のご紹介したい、ご依頼商品はこちらです。
クロコダイルの巾着袋です。
現在お手持ちの牛革の巾着袋をベースにして、長財布が楽に入るようにサイズを少しだけ変更しました。
今回こだわった箇所は3点あります。
後ろのブラックのほうがお客様のお手持ちの巾着です。
ブラックニッケルのハトメを使用
革ひもを通す穴にハトメという金具を取り付けました。
しかも黒ニッケルという、上品な大人の色気を感じます。
ブラックではなくダークブラウンでもないチャコールグレーの淡い色彩はクロコダイルによく似合います。
絶妙なフォルムに設計
口元を革ひもで絞りあげるのが巾着ですが、さらに口元を少しテーパーさせることでシルエット的にも単なる寸胴ではなく、色気のあるフォルムに仕上がったともいます。
また、ぱっと見は全くわからないのですが、両サイドの革の縫製部分は膨らみをつけて立体縫製しています。
メンズスーツのウエスト部分を内側にアールを付けて、スタイリッシュに立体的に見せているとしたら、逆アールに裁断することで膨よかなラインが出ています。
口元は表裏ともクロコダイルで
巾着の柔らかな雰囲気を損ねることのないように、口元でヘリ返して縫製するのではなく、ハトメの下まで折り返し、下の方で縫製することにより蛇腹状になった口元の柔らかな雰囲気が活かされています。
これは、後から追加されたお客様のご要望で些細なことのようでしたが、仕上がりのイメージが大きく変わったと思います。
最初は革ひも部分は牛革の編み紐で製作していたのですが、本体のクロコダイルの存在感とのアンバランス気になってしまうとのことでクロコダイルの革ひもに変更しました。
革芸人でもはじめての巾着の制作だったのですが、最高に色気のある大人のアイテムだなぁと新たな刺激を頂きました。
色についても、黒でもないダークブラウンでもない深みのあるグレーがラグジュアリー感と圧倒的な存在感を引き立たせてくれたと思います。
お客様のアイデア
革芸人の技術力
自然からいただいた美しい素材
この三位一体から実現できた今回の巾着袋のご紹介でした。